台湾の映画。
日本と変わらないような街並。
日本と変わらないような容貌。
けれども、見慣れない文字。
けれども、聴き慣れない言葉。
意図的に抑えられた台詞の量。
意図的に削られた人間関係。
手を伸ばさざるを得ない物語。
手を伸ばしても掴めない物語。
思うにテーマは断絶。或いは欠如。
故に作品自体も断絶。或いは欠如。
しかしながら観客への提言も断絶。或いは欠如。
全て世に流れるものが綺麗に断絶。或いは欠如。
確かに。
人の心は多種多様、逐次変化、無量大数。
されども。
人の心は唯一無二で、一重二重に、渾然一体。
何はともあれ。
“ことば”失くして伝わるもの無し。
“こころ”失くして伝えるもの無し。
必要なのは“ことば”と“こころ”。
生きる為の両輪、“ことば”と“こころ”。
僭越ながらに要注意。
惹かれるものが無ければ、靴履く鯛が降り注ぐ。
寄せては返す波のように、眠気と後悔が。
ゆらりゆらり。
寄せては返す波のように、無味無臭の心。
ぷかりぷかり。