なんだかアートフィルムを観てるようで、映像はすごく綺麗。でも綺麗すぎる。
五感をひとつ失う際、特定の感情が昂るという設定が独特で、感覚が閉ざされていく世界の中でも生き抜こうとする人々の姿を肯定的に描いてる。そこが他のパニックムービーと一線を画す。
失うことで強調されていく人間愛、その見せ方は素晴らしいけれど、それが美しければ美しいほど、悪い意味でこれ映画ですもんね、って醒めてしまった。阿鼻叫喚のパニックだけがリアリティーではないと思うし、静かに訪れる終末像は結構好きなんだけど、納得のいかない部分が多かったです。