西田千夏

レナードの朝の西田千夏のレビュー・感想・評価

レナードの朝(1990年製作の映画)
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Robert De Niroさんの演技はリアリティあって、良い意味で怖い。

『嗜眠性脳炎』という病気。
この映画を見るまで絶対に知ることも、
調べることも無かっただろう。

コロナ禍の時期に医療現場というテーマと
実話、闘病、葛藤などと言った、
今の現状と似た物語でもあったので、
余計に見て、苦しくなったりした。

『回復させた事が良かったのか』と、
悩むSayer。
新薬で自分を取り戻し、生きてる実感が
ある生活の辛さに苦しむLeonardや患者達。

自分はその病気の経験者でも無いし、
医師でもないから想いの共感は出来ないが
自分がもし医師や患者の立場だったら、
同じように苦しんでいるだろう。

だからといって、1人にさせられるのも辛い。
誰かが傍に居たり、話しかけられたりしないのも悲しい。

家族や友人、恋人じゃなくても
誰かたった1人だけでも自分の存在を
見て、支えてくれてる人が居て、
限りある人生でも、希望を与えてくれるなら、たった1時間、1日生きられるだけでも
良かったと思える。

幼少期にLeonardが、ベンチに掘った名前。
それ以降登場することは無かったが、
歳月が流れたあのベンチはその後どうなってるんだろうかと、思った。

それでも、生きてる証が残ってるんだから。