62年公開。
侍タイムスリッパーが開いたかもしれない時代劇への興味の余波がここにも。
綺麗な建築美、構図、組織的動作、所作。
善悪の判断がゴロゴロと立ち替わり、
その二元論の先、
問答無用のチャンバラという大立ち回りのカオスまで見せ、
全てが終わったときに残る虚偽の歴史。
時の強者によって綴られた歴史に何の意味があろうか。
人情話、その上の理、
そしてそれさえ打ち負かす狂乱。
全ては時勢に翻弄された人間の生きざまに他ならず、スカッとする訳でも、ドロッとしたわけでもなく、何がもたらされたというのか。
重厚な死生観とギリギリの生によって、なされた問いかけ。
ひたすら絵になる十字剣法(これは合理的剣法なのだろうか?んなわけないか)
強者に蓋をされていく物語の中にこそ、
正しさが隠されているのかもしれない。
ないけど、ワンピースのワノクニ編であってもおかしくないエピソード。似たような骨子の話は絶対ある。