へちょりーの

切腹のへちょりーののレビュー・感想・評価

切腹(1962年製作の映画)
4.2
「一命」のリメイク元がこちら。
時代劇というなかなか馴染みのないジャンルで、しかもモノクロだったとしても、俳優の演技力と本気の殺陣、カメラワークが最高だと、こんなにも2時間10分があっという間になるとは思ってもいなかった。

俳優の演技力。
仲代達也の演技が素晴らしい。浪人感があり、凄みと気迫がひしひしと伝わる演技。
対する三國連太郎も、丹波哲郎もまた味わいがありとても良いよかった。

殺陣・カメラワーク。
津雲半四郎と沢潟彦九郎の河原での殺陣。
あれで使用した刀は竹光ではなく、真剣だというから驚き。
それぐらい美しくカッコ良い殺陣。
そして、七人の侍に通づる小林正樹監督のカメラワークが良いのである。

ここがクライマックスでもおかしくないぐらいの味があるのだが、本当のクライマックスがまた良い。
「一命」よりも「切腹」のエンディングの方が僕は好きだった。

武士にとっての武士道精神とは。
切腹とはなんなのか。
藩にとって大事な道理とは。

時代劇入門にもちょうど良い作品だと思う。