評価が低めだから突拍子のない話かと思ったら突拍子のない話だった。
だけど、SF歴史魔界ファンタジーとして、コメディ色強めにしっかりエンタメしてて思いのほか壮大だった。
個人的にカンドンウォンを観たくて選んだが、脇を固める役者達が豪華で、それだけでもなかなか楽しめた。
ストーリーや世界観、セット、CG、このキャスト。かなりお金かけて作られてると思われる。
カンドンウォン、ユヘジン、キムユンソク。
とにかくこの3人が個性豊か。それぞれの色、“らしさ”があってとてもハマってた。
やたらとぶっ飛んだ御伽話のような話ではあるが、この3人がキテレツな物語を持ち前の技量でコメディで封じ込めながら地に足つけさせた、そんな感じ。
悪魔を封じる笛、それを持って魔界を封じてた門番の神が、手違いで魔界の魔物たちを解き放ってしまい、その神もそれを追って地に降りてしまう。
その過程で笛を失くし、魔界を操れるとされるその笛を巡って魔物たちもその笛を狙う。
神は人の姿になり、笛を探すが、神の記憶も失ったらしい。
この伝承が下界に伝わり、人間界でこの笛を巡って道士達と魔物たちとの笛の奪い合い、だまくらかしあいが始まる、、、。
道士チョンウチ、カンドンウォン。
風を操り、道術を操り、妖を打ち倒す道士。
かと思いきや、どこか頼りなく、ツメも甘く、飄々としていてイマイチ緊張感と真剣さに欠く道士。
彼の相棒みたいな存在がユヘジン。
適当で飄々とする道士の相棒のユヘジン、さらに輪をかけて無鉄砲で適当。というか、人ではない。スゴいやつなのか、ただのムードーメーカーでトラブルメーカー、彼のペットなのか、、、何なのか。
この2人の凸凹バディムービー色もあるにはあるが、両方凹凹的な。
彼らが、、、とにかくすごい話だった。
人間と魔物のマウントの取り合いの他に、“時空”、時間の流れ、歴史を越えた。どこが“時空”道士なのかと思ったら。
というか、道士が“時空”を越える能力を持つのではなく、当時の騒動から500年間ぐらいの時を経て、、、そんな展開ありなのか、という具合で“時空”を超えて来た、、、2人とも。
そして、このおちゃらけた道士と相棒なので、現代の俗世間をそこそこ楽しんじゃう。
なんと無駄と寄り道が多い魔界ハンター御一行なのか。
そもそもやる気があるのかも良くわからないチャンウチ。しかし、道士としての腕は一流。
魔物を倒すだけではなく、道術のバリエーションも豊富。
というか今まで観てきた道士とちょっとイメージが違う道士。
“絵に入る”“空間移動”“変身”“風を操る”、、、など。
もはや、道士というより、魔法使いと呼んだ方がしっくりくる。
チョンウチを呼んだ3人のおっさんも、このビジュアルで昔も今もなかなかコメディ色強くて右往左往しててなかなか賑やか。
途中、本筋の“笛”の話を忘れるぐらい色々ある。色々起きる。
それもこれもチョンウチがなかなか“急がば回れ”状態で真相に迫り切らないから別のトラブルが起きたり、別の力が働き始める。
しっかりやれよチョンウチ、お前、スゴいんだから!人の護符の力だけど、、、早く何とかしろ!
何となく序盤から“真の黒幕”もバレバレの雰囲気を出しまくってるじゃないか!
と、何度も唱えたくなるSF今昔魔界ファンタジー。
そして、記憶を失ったまま人に姿を変えた神、、、そこか!
F:2011
M:672