原題アマルコルドとはI rememberの意らしい。
フェリーニ自身の追憶譚ということか。
この人は自分の記憶や経験をよく語る。
イタリアの田舎の風景を切り取った時に幻想的なロングショットが綺麗(叔父の立ち小便を待つ馬車道、叔父が登った大木と立ち尽くす人々、アメリカの船を待つために船で繰り出す人々、霧の街、ラストの花嫁との別れ)。
一貫した物語ではなく観客に語りかける語り手の存在、ホラ話や過去の話、登場人物の空想なども含めた様々なエピソードの積み重ね。一応主人公はいるが街の個性的な登場人物の各々に焦点を当てた群像劇に近い印象。
不思議とホッとした。