Monsieurおむすび

危険な場所でのMonsieurおむすびのネタバレレビュー・内容・結末

危険な場所で(1951年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

悪党が蔓延り凶悪犯罪が絶えない都会の毒気に侵される刑事ロバート・ライアンは、行き過ぎた捜査のせいで、雪積もる田舎町での少女殺人事件の応援にまわされてしまう。
そこで犯人を自分の手で始末しようと怒りに震える被害者の父親、精神疾患を患う容疑者の青年、混乱状態の彼を匿う盲目の姉に出会う。
都会の喧騒とかけ離れた静かな土地で哀しみや怒り、人間らしさに溢れる登場人物に板挟みにされ、徐々に人らしい心を取り戻していくロバート・ライアンによる社会派ノワール。

嘗ての大学フットボールの花形選手が刑事になり過去の栄光と何もない現実の日々に、孤独を募らせていく前半と、盲目のアイダ・ルピノにふれ人生の光を取り戻す後半。
制作RKOのゴタゴタで脚本が二転三転してるらしく、そう言われれば各パートの繋ぎの粗さやぶつ切り感も見て取れる。
しかし、前半の手持ちカメラの臨場感や雪景色の美しさ、全体の劇伴の良さがそんなことを忘れさせる。

失った者、奪われた者、もともと持たざる者。それらが相まって人生の試練と力を注ぐ意義を問いかけてくれる。
Monsieurおむすび

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