【カリブの微妙に熱い夜】
少し前に、リタ・ヘイワース作品、レンタルで何となく、何本かみまして。そのうちの一本。
リタさん4年ぶりの復帰作であり、グレン・フォードと組み『ギルダ』よ再び、を狙ったのでしょうが、さほど二番煎じ感はなかったです。
お話は単純なのに、ねじくれた人物がねじくれて語る『ギルダ』に比べ、殺人事件の捜査という一本道を、明快な人物が明快に進むのでサッと、肩の力を抜いて楽しめました。終盤ササッとのご都合主義に苦笑もしたけど。
原題通り、グレンとリタはどこかでくっつくのは想定通りですが、あまりに瞬間接着剤だからズッコケたこと。舞台となるトリニダード・トバゴの現地警察が、幾らなんでも民間人の女性に即席スパイやらせ過ぎだろ、て辺りがトホホポイント。
30代半ばのリタさん、もうこの辺りで美貌に陰りが見え始めていますね。
この後の作品みてゆくと、豊満な美熟女、には成り損ねた気がします。何度も男関係で苦労したことが、表に現れたんじゃないかなあ。演技派に成れたかは、そこまで作品み込んでおらず私はわからないのですが。
しかしリタの舞いは、しなやか美脚と共にまだ健在。と、彼女はマゾっぽく締め付けられると、色気、染み出しますねえ。愛した男に苦しめられた実績が、こんなところで発揮されている気がします。
反発覚えたのは、トリニダード・トバゴという国の魅力に一切触れないこと。こんなところサッサと出ていくわ、みたいに終わっちゃう。
メイド役ファニタ・ムーアさんが好人物・好演なのも忘れられた感じ。助かったのは彼女のおかげなのにね。
ノワールというより、お手盛りサスペンスなまとめでした。リタさん目当てなら、並盛りに楽しめるとは思います。
<2015.7.11記>