ヒロ

バッド・エデュケーションのヒロのネタバレレビュー・内容・結末

バッド・エデュケーション(2004年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

ストーリーの大筋は分かりましたが、何か教訓やらこの話を通して何が伝えたかったのかよくわかりませんでした。
う〜ん…過去の思い出は美しいままとっとくべきだった、って話ですかね…エンリケに軸を置くと。
エンリケやマノロ神父にとっては、過去の少年時代の美しい思い出の象徴の様な『イグナシオ』
でも現実と時の流れは残酷で、美しい面影は跡形もなく消え去ってしまっていました。(変わらなければ今頃死んでる、ともアンヘルが言うシーンがあります。これは先々の真実が明るみに出た時の伏線にもなるのか…皮肉な言葉です)
現実は残酷だ、的な事なのだろうか。
思い出は思い出の儘が美しい、的な。

兎に角テーマやメッセージが伝わりづらいなぁ、というのを非常に感じました。
エンリケを主軸に撮って、彼の感情やイグナシオ、過去の初恋に対する想いと、現在のアンヘルに対する疑念と惹かれる気持ちを見せるべきだったのかなぁ、と。
そうすれば、最後の第二ターニングポイントの、真実が出てきた所でエンリケのショックや怒りがより視聴者に伝わったのではないか。
主人公が何を感じてるかどう思っているかをセリフや行動を通して、視聴者にちゃんと伝えることによって、話の主旨やメッセージがより明確に伝わる。
アンヘルは謎の人でストーリー上秘密を抱えてる立場なので、内面や気持ちが分かっちゃうとネタバレになってしまうので、やはりそこはエンリケ視点で作らないと駄目かな…。


マノロ神父軸だとロリータの男版というか…。
おっさんが自分より若い男や少年に夢中になって、最終的に破滅した話です。
でも主人公は、エンリケなのかな、この話は。モノローグはエンリケのが入るので。
↓脚本本の時間毎の割り振りによるネタバレ










セットアップは、次作にスランプになっている新進映画監督のエンリケの事務所。
そこに一人の役者をしている青年が現れる事で話が始まる。彼はエンリケの寄宿学校時代の初恋の人、イグナシオだという。芸名がアンヘルと名乗る。
(幼少期の面影からかけ離れていたため戸惑うエンリケ)
アンヘル(イグナシオ)は、仕事が欲しいので自分が書いた脚本を読んで欲しい、気に入ったら映画を撮ることと自分をキャスティングに入れてほしい、と自作の脚本を置いてゆく。
帰宅後、自宅で脚本を読むエンリケ。
(ここから脚本の中の話が展開する)(ここらが第一ターニングポイントと思う)
二十分辺りで、脚本の中のストーリーで、ワンナイトに引っ掛けた男が学生時代の想い人であると分かる。(ここから暫く寄宿学校に入ってた少年時代の話)
45分、今の2人、リアルに戻る。
脚本に惹き込まれ、映画化の話を進めようと乗り気になるエンリケ。
2人は意気投合して、パーティに出席し、そのままエンリケの家に行く。
アンヘルはイグナシオ役を申し出るのだが、エンリケはアンヘルがサハラ(イグナシオ)を演じるのには体格が良すぎると反対する。しかしアンヘルはイグナシオ役に固執する。
口論別れをする2人。エンリケは『君が本本当にイグナシオとは思えない』と伝える(タイプが違うし、思い出の曲にも反応しなかった、と)
59分エンリケは、アンヘル(イグナシオ)が本当に彼本人なのか疑わしくなり、彼の故郷に行く。そこでアンヘルはイグナシオの弟のフアンで、イグナシオはドラァグクイーンになっており、3年前に亡くなっていると分かる。
(多分ミッドポイント)
母親が、本物のイグナシオがエンリケに宛てた手紙を保管していて、エンリケは手紙を読む。そして、出版社の編集者という人物が、イグナシオの書いた脚本の行方を聞いてきたとも(伏線)
全てを知った上で(アンヘルは、イグナシオの弟だと言うこと。自分に嘘をついている)アンヘルをイグナシオに採用するエンリケ。
一時間十分すぎ、リアルのマノロ神父(現在はベレングエルという名前で、編集者をしている)が現れる。(第二ターニングポイント)
マノロ神父は『イグナシオは何故死んだか』『誰が殺したか、映画の通りなのか』と気になる言葉を口にし、マノロ神父は、フアンと共謀してイグナシオを殺した事をエンリケに伝える。
ショックを受け、アンヘルの呼び止める声にも耳を貸さずに帰宅するエンリケ。
後を追い弁解するアンヘル。撮影が全て終わったら伝える気だったというアンヘル。自宅からエンリケに追い出される際に、どうして全部知っていて、自分をイグナシオ(サハラ)役にしたのか、尋ねる。
エンリケは、アンヘルがどこまで嘘をつき、自分がどこまで耐えられるか興味があったという。
アンヘルを自宅から追い出して、アンヘルはサハラ役で一躍有名になるがその後落ち目になり、メイクの女性と結婚。ベレングエルはアンヘルにその後も付きまとい、アンヘルの運転する車に轢かれて亡くなる。エンリケは精力的に変わらぬ情熱で映画を撮り続けている─
と、その後の3名がどうなったのかナレーションで話は締められる。





トータル105分
第一ターニングP、26分頃
MP、52〜53分頃
第二ターニングP、79分頃(1時間19分)
終わり
ヒロ

ヒロ