ヒロ

レザボア・ドッグスのヒロのネタバレレビュー・内容・結末

レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

クエンティン・タランティーノ監督のデビュー作で、名作と名高い映画。
10分辺りまで『中々話が始まらんなぁ…』って少し視聴テンションダウンを感じていたのだけれど、そこが過ぎるとなんだかんだ集中して見れる良作。
しかしロス警察に密着してる番組とか見た記憶だと、犯人やターゲットを張ってる建物で銃声がしたら、待機チームが緊急事態とかで突入する様な気がしてたので、なんで三つ巴で銃撃になった時、すぐ飛び込んで来ないんだ…、ちゃっかりMr.Pink逃げる余裕とかないだろ…とか冷静に思ってしまった。
しかしフィクションにそんなん言ったら野暮ですよね〜!ドラマチックにしなきゃねぇ。娯楽なんだから!(でも現実はこうだとか、ご都合主義過ぎるとか、ガタガタいう人いるよね…🙄)
自分はもう少し、ラリーを中心に話を作っても良かったんじゃないかな…と思いました。
もしくはラリーと、フレディの交流シーンをもうちょっと増やして、ラリーにとって擬似親子みたいな感じになっていた、みたいな印象を視聴者に与えてもよかったんじゃないか…と。
そうすると最後のラリーの慟哭が、より視聴者の胸に迫ったんではないでしょうか。でも基本的に面白い映画でした!
↓以下脚本本に則ったセクション割り振り








年齢層などあまり共通性の感じられない、奇妙な男性の集団がダイナー的な場所で朝食をとっている。マドンナの歌の歌詞についてや、大事にしてる手帖の話とかどうでも良いような話でワーワー言い、店を出る時になってチップの支払いで揉めたりしている。(クセあるけど、何か憎めない感じの、変な男たちの集団だなぁ…という印象を視聴者に植え付けている)

店を出てすぐ、オープニングが始まり、ジョージ・ベイカーの「Little green bag」軽快な音楽が流れ颯爽と道を歩く男達。何かカッコいい事が始まりそうだな…と視聴者をワクワクさせたと思ったら、次の瞬間その男達の一人が車の中で血まみれで『死ぬ!死ぬ!』とパニックを起こしている。これが10分辺り。
オッサン達の会話いつまで続くんだよ〜…ってちょっと面倒くさく成り始めた辺りで、このシーン持ってきて上手いなァ!と。このシーンが飛び込んで来たことで、何があったの!?って視聴者の興味を惹きつける。
落ち合う予定の場所に瀕死のMr.Orangeを連れて戻ったラリー(Mr.White)。
そこへMr.Pinkも合流し、仲間の中に警察の犬が居たんだ!と言う。
何故なら警察が警報が鳴って来れるのは4分かかる、それが一分で現れた、しかも14人も一遍に。これはどう考えてもおかしい!と。
25分辺りでMr.White視点で、今回の事の経緯が視聴者に説明される。
彼らはダイヤの問屋の強盗の計画に集められたプロの強盗だった。(このセクションから二幕目に入る、第一ターニングポイントと思わる)
リアルに戻り落ち合うはずのジョーが来ないから、元締めのジョーが犬だ!俺等はハメられたんだ!とPinkは言うが、Whiteは長い付き合いだから違う!と言う。
重症のオレンジをどうする!?オレはほとぼりが冷めるまでホテルに隠れる!等2人はこの後どうするかで揉める。
33分頃。揉めてる2人の前にジュースを飲みながらのんびりとMr.Blondeが現れる。
(何か落ち着いてる…。気味の悪さ。PinkとWhiteのやり取りで、視聴者には『Blondeは銃をぶっ放すサイコ野郎らしい…』という情報が入ってる。これは後の伏線回収(ジョーやエディを絶対に裏切らない義理堅い奴であるという事)の為のミスリードを狙っているかと思う…🤔)
警報を鳴らした奴が居たから銃をぶっ放したというBlonde。(Mr.Pinkの証言とは違う。Pinkは、銃をぶっ放したら警報が成り警察が入って来た、だった。でもBlondeの言うことは、Mr.Whiteの認識とは合っている…。何か誰が本当なんだ…?と、見ている側は思い始める)
35分頃、警察の犬を探そうとなるが、Blondeが若い警察を一人トランクに詰めて連れてきていた『こいつに犬を白状させよう』
Mr.Blondeが強盗に加わった経緯を回想。何かすごくジョーや、エディ達に家族のように受け入れられている。ムショ帰りである事が伝えられる。
リアルに戻って、ジョーの息子のエディが落ち合う場所に現れる。(丁度警官をボコしてるPinkとWhite)
エディと一緒にWhiteとPinkは一端隠してるダイヤの回収に出る。エディはBlondeに、ここで留守番してくれと伝え、Blondeは空き工場?に残る。Blondeは警官の耳を削ぐなど拷問し、建物ごと人質の警官を燃やそうとする。しかし気絶してたはずのMr.Orangeが、Mr.Blondeを射殺する。
瀕死のMr.Orangeが実は、警察の犬であり刑事フレディだった。
拷問を受けていた警官マービンにもう少し頑張れ、というフレディ。周りに仲間が待機していると伝える(でもOrange自身も瀕死)元締めのジョーを挙げるのが今回の目的で、ジョーが現れないと仲間は限り動かない。静かに血を流しているしかないと伝える。ギリギリの状況。
(60分辺りここがMP)
フレディ(Mr.Orange)の回想に。
ここに至るまでの潜入の経緯が分かる。
1時間27分位まで
リアルに戻り、ジョーに会いに行っていた息子のエディ(仲介役)とMr.WhiteとPinkが戻ってくる。
フレディ(Mr.Orange)は、Mr.Blondeが人質にした刑事に火をつけて俺もろとも焼き殺そうとしていた。帰ってきたお前達を殺してダイヤを持って逃げる腹だったと伝えるが、息子のエディが筋が通らない、という。
何故ならMr.Blondeは、ジョーのヤバい品が詰まっていた倉庫でやとっていた男で務所帰りだと言う。
『親父の名前を出せば無罪になれたのに、黙り通して4年刑務所に入った。そんな義理堅い親友が何だって?親父を庇って、刑事のどんな美味い取り引きにも応じなかった。やっと務所から出て、受けた恩に報いろうと仕事に誘った。そんな奴が自分達を裏切っただと!そうお前は言うのか!?』
激昂するエディ(ここで1時間半。Mr.Blondeのエピソードが回収される。第二ターニングポイント)
タイミング良くジョーが現れて、犬はフレディだと伝える。BrownもBlueもこいつに殺された、と。
Mr.White(ラリー)は信じられない。
しかしジョーはフレディを射殺しようとする。そのジョーに銃を向けるラリー、そのラリーに銃を向けるエディ…。
『どうかしてるぜ!落ち着けよ!お前ら!プロだろ!?』と蚊帳の外状態で叫んでるMr.Pink。
お互いを銃で脅しつつ、それぞれを説得しようとする。
しかしエディが『親父に銃を向けるな!銃を下ろせ!』と叫んだタイミングで膠着状態が崩れ、ジョーがフレディを撃つ、ついでラリーがジョーを、エディが、ラリーを、そしてラリーがエディを…。
物陰に避難していたMr.Pinkは、全てが終わった後そそくさとカバンを持って立ち去る。
瀕死のラリーはフレディのところへ。
フレディは、ラリーに本当の事を伝えて謝罪する。(遠くからパトカーの音)
ラリーは唸り声を上げて、フレディを撃とうとする。
警察が入ってきてラリーを包囲する。
1発目の銃声がして、その後2発銃声がしてラリーがフレームアウトし、画面がフェイドアウトして終わる
(ラストシーンは、ラリーのクローズアップショットにして、彼の最後の表情に視聴者を集中させる風にしている。1発目でラリーの腕が反動で動く、2発でラリーの身体が傾くので、1発目はラリーがフレディを撃ち、次の2発はラリーが撃たれたと分かる。バストアップ〜ミドルショットににカメラを切れば、銃やフレディ、銃殺の状況が分かりやすいが、あえて映さない事で暗に伝えている。
確かにその瞬間を見せるのは野暮かな…とも思う)


トータル100分
第一ターニングポイント25分
MP50分
第二ターニングポイント75分
終わり
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