トムヤムクン

エヴァの匂いのトムヤムクンのレビュー・感想・評価

エヴァの匂い(1962年製作の映画)
4.5
この後味は…。終盤は回想劇であることをすっかり忘れて主人公のクズ男(彼がエヴァとの関係や過去の罪と決着をつけることができていたならばこんな呼び方もしなかったでしょうに)かエヴァのどっちかあるいは両方ともくたばってほしい気分になりました…。とにかくジャンヌ・モロー扮するエヴァが凄い作品。奥さんのフランチェスカさん健気で可愛らしいし、彼女と幸せになるのがよかったでしょうに。そんな市民的な幸せや道徳や倫理みたいなものを完全に超越した存在としてエヴァがいます。ある意味でベケット的なテーゼが主題になっています。主人公のクズはエヴァに囚われた時点で詰んでいて、勝負を終わらせる勇気さえないままに負けが決まった賭博を続けなければならない、続けようということです。
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