かなり好きな作品だったな〜〜ワンピースをダシにした細田守の私小説だということは認めたうえでホラー的演出に唸らされる。ワンピ映画を期待したキッズはリリー・カーネーションのグロテスクな造形に号泣か，それとも何か別の扉を開かされたか。アンダーテールの鬼畜花フラウィ思い出した。何かを忘れることや新たに一歩踏み出していくことが，自分が大事にしていたり愛していた人たちとの関係性を捨て去ることになるのではないかと考えて，優しさが自縄自縛になってしまうようなことが，程度の違いはあれど少なくない人にとって経験のあることなのではないか。五条悟ではないけど愛ほど重い呪いはないのかもしれず。でも楽になっていいんだよと，過去に苦しむそれだけが全てじゃなく，新しく踏み出していいんだよという境地に至れたのは，細田なりに自分も他人も赦すことができたということなのかもしれない。極私的でありながら妙に身につまされる物語だった…
