安堵霊タラコフスキー

フランス軍中尉の女の安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

フランス軍中尉の女(1981年製作の映画)
3.8
DVD持ってたから消化したいなと思い見たけど、割合良さ気な映画だった。

文芸作品的な劇中劇とその裏側を行ったり来たりする構成だけど、全体的にトリュフォーとかが撮ったみたいなフランス映画然としていて純粋な雰囲気としても嫌いではなかった。

性格も佇まいも全然違う二役を演じたメリル・ストリープとジェレミー・アイアンズも勿論素晴らしく、特に練習風景から本番に移行するときにどちらも同一人物と思えなかった箇所にはハッとさせられ、彼らの演技力とこの作品ならではの味わいには唸った。

メタ的に描かれるのが殆ど主演二人のみで、アメリカの夜みたく現実と映画の境界が感じられる場面が無かったのは不満だったけど、その主演二人の演技と文芸的趣だけでも十分良いと思えた作品ではあったから見終わって酷い気分にはならなかった。