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ウェディング・バンケットのsonozyのレビュー・感想・評価

ウェディング・バンケット(1993年製作の映画)
3.5
台湾のアン・リー監督による“父親三部作”の2作目。
ベルリン国際映画祭: 金熊賞
台湾金馬奨: 作品・監督・脚本・助演男優・助演女優の5冠

台湾出身のアメリカで暮らすゲイの青年が、結婚を迫る母と老いた父のために偽装結婚で乗り切ろうとするが・・というお話。

台湾人のウェイトンはマンハッタンでアメリカ人・サイモンと暮らして5年。ゲイであることを伝えられていない母からは早く結婚するよう催促する音声が入ったカセットテープが届く。

父が心臓発作で入院した際、孫を抱くのが夢と話したというのを聞き悩むウェイトン。
両親がアメリカに2週間滞在することになり、ウェイトンはサイモンと相談し、ボロいビルを貸している女性アーティストで市民権を欲しがっている中国人ウェイウェイとの偽装結婚でひとまず両親を安心させようと決める。

3人は両親が分からない英語で話を進め、市役所の簡略結婚式で済ませるが、あっけない展開に情けないと悲しむ両親。
かつて使用人だった陳(チェン)が営む中華料理店で披露宴を行うことになり、どこから集まったのか(笑)ものすごい人数で盛り上がる披露宴が行われるが、その後の想定外の事態で状況は急転回・・・

ウェイトン、サイモン、ウェイウェイの3人の関係。
ウェイトンの両親とこの3人それぞれとの関係。
披露宴まではコメディテイストありですが、その後の展開の心理描写が味わい深い良作でした。
『推手』同様、ラストも良き。
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