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アラバマ物語のmasatoのレビュー・感想・評価

アラバマ物語(1962年製作の映画)
4.5
この映画の原作はハーパー・リー。映画『カポーティ』の中で、『冷血』の取材旅行に同行し、「アラバマ物語」を書き上げ、映画化されるというエピソードも取り上げられている。
あの映画を見たのは何年前だったのだろう。それ以来、この映画を見ようと思っていたのに、『カポーティ』の中でハーパー・リーを演じていたのがキャサリン・キーナーだったせいか、それとも『アラバマ物語』という邦題のせいか、『若草物語』的な内容を想像して、見るのが遅れてしまった。

いい映画だなあ!と見終わった後に、声をあげてしまった。黒人差別が激しかった当時のアラバマで、正義が通らない理不尽が罷り通る。その現実を見つめる弁護士と、その子供たち。

ハッピーエンドというには、苦い話だけれど、それぞれが必死に戦ったことで、何かとても大切な結晶のようなものが、映画の終わりにそっと置かれているような感覚。

そういえば、オープニングで幼い子どもの手が、小物入れを開き、その中身が紹介されるやけにコントラストのはっきりしたカットから、もう釘付けだった。

ロバート・デュバルはどこに出ているのか、と思いながら見ていたので、ある意味別の感動もあった。

いい映画だなあ。
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