きたいくと

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズのきたいくとのレビュー・感想・評価

3.8
序盤の「これ幼児は理解して楽しめるん?」みたいなちょい難しめで細かい設定、こだわりが感じられる作画、音楽なんかが生み出す世界観の怖さに対して、後半の「これ大人は理解して楽しめるん?」っていうぐらいのバカさ加減。
塩分過多やし、砂糖めちゃくちゃ食ってバランス取るか!みたいな映画やった。

悪役が子供向けアニメらしからぬいやらしさを感じる悪であり、クレしん映画の中でダントツの悪役だと思う。しんのすけって割と攻撃されてもヒョイヒョイかわしたり、心の強さで立ち上がったり、痛めつけられても魔法であったりするイメージだったけど、鞭という物理的なガチの暴力でなすすべなく蹂躙されるようなのって他にあんのか?

でもラストが映画過ぎるんだよなぁ。切ないし、映画の作り手としていろんなメッセージを込めたであろうことが推測できてアツくなれる。

ただ全員おんなじ時間軸で帰ってくるのは流石にメリーバッドエンド過ぎやろって話から、最後に見せたひろしの顔から現実世界に帰ってきた時点で“全員が別々に映画館に入った事実”そのものが無くなってしまい、カスカベ座は普通の映画館として営業しているパラレルワールドに帰ってきた説まで考えて話してたら夜が更けてしまった。風間ママは二度と帰らぬトオルちゃんを探し続け、シロが餓死してる別の世界線もどこかに存在している説を唱えて怒られる23の夜。

それにしても春日部の大人、廃墟の映画館に不法侵入し過ぎやろ。
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