mitakosama

遺産相続のmitakosamaのレビュー・感想・評価

遺産相続(1990年製作の映画)
3.4
東映YouTubeにて。この映画の存在自体知らなかったわ。なんか如何にもバブル時代の物語だ。

野々村真が関西人のお調子者・勅使河原として出演。なんか今の野々村のキャラとも違うし関西弁も違和感だ。そんな野々村が東京のマネキン会社に入社。
マネキン会社の社長に竜雷太。その愛人で会社を取り仕切っている専務に佐久間良子。
一応、この佐久間良子が主役でベランメェ調の敏腕だ。コレまたに合わない(笑)

30分くらいはちょっとダラけた印象だったが、竜雷太の社長が崖から落ちて死んでから物語のエンジンが掛かる。
遺産は遺言も無い以上は正妻とその子供のものになるが、内縁の妻とその子供は権利が無い。
会社を大きくし貢献した愛人は納得が出来ない。

愛人×本妻の遺産とプライドを賭けた戦いになる。後半から俄然面白くなってくる。
愛人側は連れ子とも問題が多いし、本妻側は婿の選挙に翻弄される。
そして勅使河原が実は社長の隠し子だったことが発覚。愛人側の逆襲が始まるが一筋縄ではいかない展開。

東映的な伊丹映画を狙ったとのことだが、だとしたら序盤のモタツキがちょっと勿体なかったなぁ。多分伊丹十三だったらもっとテンポが良いはず。あと今作は各キャラがちょっとエキセントリックすぎたかなぁ。伊丹映画は個性的なキャラは多くても、各キャラの行動原理はシッカリしてたもんな。

しかし劇中のバブルみが凄い。隅田川沿いだからおそらく江東区か台東区のマネキン工場の総資産が20億だって…。自動車が何故かメルセデスのクラシックカーだったり色々不自然だ。部屋の内装も凄い豪華。時代じゃのう。

それとは別に撮影も手間がかかっている。やはり工場3階分の断面が一画面内に収まっているセットは相当豪華だ。撮影にもバブルを感じるわ。
mitakosama

mitakosama