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太陽はひとりぼっちのswansongのレビュー・感想・評価

太陽はひとりぼっち(1962年製作の映画)
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「核開発競争」 「儚い平和」
紙面におどるヘッドライン。

道行く人々が浮かべる不安げな表情。

静かに流れる不協和音。

主人公たちだけがいない風景。

そして画面いっぱいに映し出される「歪んだ光」。


「まさかここで終わったりして…」と思った刹那、 ホントに"FINE"の文字が出てきて驚いた。

まるで金城哲夫氏の脚本によるウルトラシリーズの一編のような、 あるいはスタンリー・クレイマー監督の「渚にて」のような、 ちょっとコワい幕切れですね。

この映画が公開された1962年、 米ソ両陣営の対立はピークに達し、 同年10月には「キューバ危機」が勃発。
(これ、 気になってWikiで確認しました。)

きっと「核戦争」「第三次世界大戦」という悪夢が、 ものすごくリアルに感じられた時代なんだろな。

日ごろいかにもアメリカンな(またはコリアンな) アクション映画やホラー映画ばかり貪ってる私にとって、 この作品のヨーロピアンな話運びには少々ツラいものがあったけど、 アラン・ドロンとモニカ・ヴィッティの魅力に惹きつけられて最後まで一気に観てしまいました。

ふらりと立ち寄った名画座で、 なんの予備知識もなくこういう作品に出会えたら素敵だろうな。

ただし同時上映は痛快な「ボルサリーノ」で!(笑)

2018ー112
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