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忍者狩りのbeachboss114のレビュー・感想・評価

忍者狩り(1964年製作の映画)
5.0
設定良し、展開良し、タイトル良し。まさに映画の醍醐味が詰まった東映黄金期の傑作。

大名お取り潰しの謀略、阻止しようとする城代家老。数年前から配下に忍び込んでいるスパイ(忍者)たちの炙り出しのために雇われたのは、それぞれ御家お取り潰しの憂き目にあった浪人4名。こうして忍者側との因縁と知恵比べと虚々実々の駆け引きの火蓋が切って落とされる。

ってこれ、このまま埋もれさせておいていいのか? リメイクの話とかなかったのか?

圧巻は狂気の極み「容疑者総斬り」。さらにその是非をめぐって対立する家中を収める城代家老の非情だが正論の一言。外様大名が置かれた切羽詰まった状況が如実に伝わってきて、いやが上にも緊張感が高まっていく。

「いかにも」な街道での斬り合い、「いかにも」な地下墓地での暗闇バトル、そして悪役の「いかにも」な面構え。意表を突きすぎで笑う一歩手前の天守閣の罠や、陳腐なハニートラップに引っかかるのが予想通りのチョメチョメな御仁だったりと、あらゆる点で画で見て分かりやすいのがいい。一瞬しか映らないけど、若殿の影武者の絶妙なアホ面も。

余談だが、DVDで観るなら特典の予告編は必見。単に尼僧が腰元を組伏せるだけのシーンに、テロップが「もつれ合う二つの女体」。観客動員へのあくなき執念を感じて爆笑。ここに釣られて観に来た当時のスケベ親父たちの心境や如何に。
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