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シャドー・メーカーズのbeachboss114のレビュー・感想・評価

シャドー・メーカーズ(1989年製作の映画)
4.0
『オッペンハイマー』に備えて20年ぶりに復習。覚えてたのは、被曝したジョン・キューザックの顔がパンパンに腫れていくところと、最終実験でオッペンハイマーの頬が「ミッション・インポッシブル」の1作目でTGVの屋根にしがみついたトム・クルーズみたいにプルプルするところ。

今回も、そこだけ。

強いて言うなら、アメリカ人みんなが原爆投下に賛成していたわけではないんだよ、っていう言い訳シーン。そもそも、背中から撃つのは卑怯だというこだわりだけはあるくせに、何言ってんだか。

こんな破壊力を見せられてなお、誰かの頭の上から落としてみようと思える時点で頭おかしい。どうかしてる。

映画としては、誰が主人公なのか、軸足が定まらなかったため、感情移入が中途半端な結果に。いっそ群像劇に振り切って、冷徹で俯瞰的な視点で仕上げていれば、もっと評価が上がったはず。

あるいは、視点を絞って、科学者が野心と成功の魔に取り憑かれていく過程をもう少し丁寧に掘り下げるか。

そういった完成度や、細部の脚色の真偽はさておき、少なくともざっくりと歴史の勉強にはなるから、見ておいて損はない作品。
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