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裏切りのサーカスのbeachboss114のレビュー・感想・評価

裏切りのサーカス(2011年製作の映画)
5.0
「本来、スパイとはかくあるべし」という「通向け」の諜報員映画。ドラマ版については、こちらにアップしたので、レビュー内容はほぼ被るんだけど、
https://filmarks.com/dramas/6511/9300/reviews/10083381

言っちゃ悪いが、スマイリー役はゲイリー・オールドマン「じゃない」。カッコ良すぎるのよ、いくら頑張ってショボくれた役作りをしたとて。

干された事務方のエリート公務員が、地道に帳簿めくって金の出し入れから犯人を炙り出すってだけの話なんだから。

対するコリン・ファースも老け具合が足りない。こっちはモテ爺の役どころだからカッコ良くて良いんだけど。

あと、カンバーバッチは役柄には合ってるんだけど、性的嗜好をそっちにしたのは余計。結末の背景の意外性がボケてしまう。しかも続編を映画化する際に何かと辻褄合わなくなるし。

それ以外のキャストは、いろんな映画で似たような役を(記号的に)あてがわれがちな「ザ・小悪党」ばっかりだったから、リアリティあるんだけど。

で、本題。

正直、宮仕えの経験のない人には、この物語の良さや味わいは理解しづらいと思う。ただ、難しい話ではあるが、難解ではない。答えも解釈も明解。

組織内での嫉妬や確執など、お互い忸怩たるものを抱えているとはいえ、長年、同じ戦場で共通の敵と戦ってきた戦友にしか分からないシンパシーを感じさせ、すべてを洗い流して赦し合える(かもしれない)ラストは映画版オリジナル。そこは実感沸くし、味わい深い。
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