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野獣刑事(デカ)の教授のレビュー・感想・評価

野獣刑事(デカ)(1982年製作の映画)
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主人公は緒形拳でも泉谷しげるでもなく、いしだあゆみの子供。

子供は食パン齧ってたり魚肉ソーセージを齧ってたりする。
素行が悪く万引きばかりする。

緒形拳の子供でもなければ、泉谷しげるの子供でもなさそうだ。

個人的にいしだあゆみは全然好きじゃないのだけど。とにかくロクデモナイ男たちに翻弄される。つまりどこか、母親であることよりも女であるところが強い。
しかし、子供にとっては一番必要な存在であるということは間違いない。

一方緒形拳は、刑事という所謂社会正義の側にはいるはずだが、結婚を拒み、子供を大事にはしているが父親にはなれない。
むしろ、社会正義の側にいて、子供から母親を奪ってしまう。
これでは父親として承認できない。

泉谷しげるはまぁ、お茶目だが…やはり子供の教育上良くないし、最終的にはやはり奪い取っていく側だろう。

そもそもが、この子供にとって緒形拳も泉谷しげるも、大して変わらない自分からは奪っていく意識的に、無意識的に許しがたい人間なのである。

その大人の信用ならなさ、不完全で未熟っぷりが描かれているのだと思う。

あとは、芦屋雁之助のクレイジー演技や、ヘッドライトの演出など、映像テクニックには本当に鳥肌が立った。
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