シネラー

新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH(TRUE)2/Air/まごころを、君にのシネラーのレビュー・感想・評価

3.5
シン・エヴァンゲリオンの鑑賞後に、
TVシリーズの総集編と
もう一つの最終回である"旧劇場版"を再鑑賞。
解釈も難しい完全なファン映画だが、
その難解さが好きでも嫌いでもある作品だ。

「DEATH(TRUE)2」に関しては、
TVシリーズを知っている事が前提
となっている構成の総集編である為、
一見さんには向かない内容となっている。
TVシリーズの場面を端的に観れる事が、
この部分の利点だと思った。

「Air/まごころを君に」については、
小学生の頃に初めて鑑賞し、
"気持ち悪い"と感じたトラウマ映画だった。
しかし、大人になった今では、
その内容に美しさすら感じる魅力を
持つようになった作品ではある。
TVシリーズの結末部分に当たる
25話と26話をリメイクした内容だが、
個人的に世界の終焉を描いた作品で
ここまで陰鬱なものはないように思う。
急襲されるNERV本部、
量産機と対峙したアスカの顛末、
そして発動される人類補完計画。
希望的に感じる部分も
直ぐに絶望に墜とされる内容だと言えるだろう。

"新劇場版"のシンジを見届けた後だと、
やはり"旧劇場版"のシンジには、
自分の世界に塞ぎこむ未熟な子どもの
印象が残った。
又、他人の存在を最後には認めるシンジだが、結局は卑屈で成長していないと思った。

破滅的な結末を迎える本作だが、
『新世紀エヴァンゲリオン』の完結編
として人間関係の嫌な面と良い面も
押し出した作品だと感じられた。
何度も続けて見返す映画ではないが、
観る度に解釈や感想が新たに出てくる
エヴァンゲリオンだと思った。
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