携帯から聞いたこともない警告音が鳴り響き、何事かと思い画面を見る。
「世界貿易センタービルに旅客機が激突」表示された文字を見て急いでテレビをつける。
ビルに飛行機が突き刺さっている映像は、到底現実のものとは思えず…愕然としたのを今でも覚えている。
映画内でも当然その時は訪れて。分かっていてもなんとも痛ましい気持ちになり、吐き気すら覚えて涙が出た。
そして4機もハイジャックされていたこと、機内で戦った人達がいたことをこの映画で初めて知りました。
映画では地上の航空局や軍の様子も描かれ、その混乱ぶりがなんともリアル。
最初は「ハイジャックされたらしいよ?」くらいな感覚だったのが、
位置の特定が全然出来ず、やり取りも上手くいかずと焦燥感が増していく。
やがては国家の危機を避けるため、民間を犠牲にする決断が下される…。
そしてハイジャックされた機内。ここでのやり取りも非常にリアリティーがありました。
犯人に殺されるかもしれない恐怖、飛行機が墜落するかもしれない恐怖。
電話で家族に感謝と別れを告げる者、ただ泣きじゃくる者。そんな中で反撃を試みる者がいて。勇敢すぎる。
このままでは死ぬと分かっていても、自分だったら動けない自信しかない。
さらに神に祈るテロ犯。神のために、神の御加護をとか言うテロ犯。
神ってなんなの?神は他人を不幸に陥れるものなの?そんな神ならいらない。
宗教って罪深いなと思ってしまった。
今作はトラウマを助長させるとして公開も危ぶまれたらしいですが、遺族の強い希望もあって公開に漕ぎ着けたのだとか。
私のような浅はかな人間ですら、こういう事実があったことが心に刻まれたし、意味はあったと思いますね。
そしてこの映画を観た人間にも、事件を後世に伝えていく使命があるのかなと思います。