天豆てんまめ

ユナイテッド93の天豆てんまめのレビュー・感想・評価

ユナイテッド93(2006年製作の映画)
3.9
「Fukushima50」を今日観に行く予定だ。まだ記憶が鮮明にある9年前の悲劇をどのように描いているのだろうか。その点で本作は2001年9月11日のたった5年後にポールグリーングラス監督が映画化した。生々しい傷跡はまだ癒えていない中でなぜ、と思って劇場に向かった記憶がある。

映画思い出し鑑賞記憶Vol.9

この映画はもう忘れようもない。ですがOscarさんのレビューをクリップし、あの頃の記憶が溢れ出しました。ありがとうございます。

2011年9月11日午前8時42分、ユナイテッド93便が飛び立った。その直後、ハイジャックされた2便がワールドトレードセンターに立て続けに激突した。私はあの日の夜、ニュースに信じられない光景が映っていることに愕然とした。これは現実なのだろうか? 映画ではないのだろうか? その後2日後に出発予定のラスベガスへの旅のパッキングがほぼ終わったところだった。

全世界でワールドトレードセンターが崩れ去る衝撃的な映像を目の当たりにしているその時、ユナイテッド93便の乗客はまだ何も知らず穏やかにフライトを続けていた。そして、、、それからの展開はもう現実が全てだ。極限状態と簡単に言うけれど、ここまで極限状態で「いったい自分たちは何ができるのか?何をすべきなのか?」そんなことを考えることは不可能のように思える。あまりにも残酷な運命によってその場に居合わせたユナイテッド93便の40名の命。そこで彼らがテロリストと、恐怖と、自身の命と、家族と、どう向き合っていたのか、自分がその場にいた時にどんな感情になるのか、想像を絶するが、想像をして胸が引き裂かれる映画だ。私は劇場で観た時、後半からずっと涙が止まらないまま、暫く立てなかった。あまりにも事が現実のままで恐ろしく悲しく悔しく受け止めるのが難しい映画だった。あの時、あの映画が作られたことが関係者にとって、遺族の方々にとって良かったことだったのか、私は今も分からない。

その後、長男がこの世に生を受けた。世界がパニックに陥る中、世の中がどうなるかわからない。なす術もない。そう思った。ただ大切な人だけを守ることを心に誓った。