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とむらい師たちのmitakosamaのレビュー・感想・評価

とむらい師たち(1968年製作の映画)
3.7
スカパーにて。これはナカナカの怪作ですわ。
葬儀を仕事にする“弔い師”なる職業をテーマにしたブラックコメディ。
設定的には「おくりびと」を連想するが、そこは原作が野坂昭如だけあり一筋縄じゃない。作品全体からヤバい空気に満ちてる。

葬儀のデスマスクを作る職人ガンメンに勝新太郎。
葬儀会社が我先にと遺族の家に乗り込み自社と契約を取ろうと必死。それを見て怒るガンメン。死者に対する敬意を大切にしたいガンメンは葬儀ビジネスにガメツいのに嫌悪たっぷりな頑固一徹。
でも霊柩車でバンバン信号無視するなど、基本は破天荒。

序盤に建設中の万博会場が映る。大映で万博会場と言えば「ガメラ対ジャイガー」じゃないですか!

で、美容整形の先生を仲間に入れ、遺体相手の美容師にする。これが伊藤雄之助。
勝新が遺体の顔にエイヤエイヤと石工を叩き付け、伊藤雄之助が遺体をワンツーワンツーとマッサージする。キャラの濃過ぎる二人が大マジメに馬鹿やる様が可笑しくて(笑)落語のカンカンノウみたいで笑える。

霊柩車運転手と元役所の戸籍係を仲間に国際葬儀協会を設立。ド派手な広告展開にイベント。この辺も中毒性のある面白さ。

しかしまたも仲間が金儲けに走り、ガンメンは離脱。
葬儀万博の開催を思いつく。ここで序盤の万博のくだりが活かされるのか!これは脱帽だった。

そして、まさかの大オチ。こりゃすげぇ。こんな終わり方ありか?
皮肉たっぷりなブラックな笑いが堪らない!
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