【1990年キネマ旬報日本映画ベストテン 第10位】
『ふるさと』神山征二郎監督が椎名誠の私小説を映画化した作品。キネマ旬報ベストテンでは第10位に選出されるなど高い評価を得た。
面白かった。少年たちの友情と恋を甘酸っぱく描いた名作。タイトルからてっきりロマンポルノ的な作品かと思っていたら全然違った。
洋館の窓から見える少女の白い手に魅せられた転校生の少年、彼と仲良くするように頼まれた少年、主にこの二人の視点から進む青春物語。
トロッコでの度胸試し、担任の先生の恋、少年たちの友情など様々な事象を見事なバランスで描ききっている。
切ない後味を残す終わり方もすごくいい。それでも少年たちの日々は続いていくんだなぁ。きっとこの夏も成長するにつれて忘れていくのだろう。そんな刹那的な想いも去来する作品になっている。
これがDVD化されていなのはよく分からない。今の時代でも十分通用する話だし、演出も非常に優れている。甘酸っぱい青春物語でとても好きだった。名作。