第5回大島渚賞記念上映会にて鑑賞。
「当たり屋」 走行中の自動車にわざとぶつかって因縁をつけ、金品を脅しとる。昭和の時代に実際にあった犯罪だ。
この「当たり屋」を生業にしている4人家族。当たり屋稼業を働きながら日本全国を旅して周る。だがこの家族、全員が血が繋がってるわけではない。
『万引き家族』を思い出した。歪な家族が犯罪で生計を立て、束の間の家族ごっこも逮捕され崩れ去る。
逮捕後の取り調べで終わるのも同様の演出だし、是枝監督は絶対この作品を意識して『万引き家族』を撮ったに違いない。
実際に養護施設の子供であったという主人公の少年の眼差しが素晴らしい。
部分的に色を落としてモノクロのような映像を挟んだりする演出も効果的。
なかなか見られない大島渚の過去作をスクリーンで見られたのも貴重な機会だった。