みむさん

私は「うつ依存症」の女のみむさんのレビュー・感想・評価

私は「うつ依存症」の女(2001年製作の映画)
3.3
ノーラン「インソムニア」のオリジナル「不眠症」のエーリク・ショルビャルグ監督。
意外と豪華キャストで主演のクリスティーナ・リッチはプロデューサー兼任。

社会問題にもなった抗うつ剤プロザックの処方。原題はアメリカをプロザック大国と呼んでいたことから来たものだろうな。
元はエリザベス・ワーツェルの自伝小説とのこと。

以前からあるうつ症状に加え、母の期待と父の不在も重なり、精神的な負担は大きくなるばかりだが、周囲にはワガママにしか映らない。当事者にしかわからない悩みが赤裸々に描かれていて、うつ症を克服する話というよりもがき苦しむ話。邦題はそのイメージが強い。

情緒不安定は程度の問題はあれど誰でも訪れると思っているので、はたして「うつ」と診断されるのは何が決定打なんだろう?と疑問に思うことがある。

この映画もそのあたりはあえて曖昧で、主人公リジーが心の拠り所なく、日々にうんざりしながら生活する様子が描かれる。
まあ、なにもかもうまくいかない時はポジティブな考えもできず、精神科医にも悪態はつくわで、負のスパイラルに陥るのもわかるなぁ。

「徐々に、そして突然に」気づいたらそうなってるが、何かのきっかけでまた「徐々に、そして突然に」かわっていくもので。
抗うつ剤に頼りたいのもわかるが、きっかけは意外なところにあるものだな。