直訳:テキサスチェーンソー大虐殺
スラッシャー映画界の伝説となっている一作。恐る恐る視聴してみると$140,000という低予算ながら、製作陣の才能がキラリと光る傑作であった。
この一点がどう凄いとかではなく、殺人鬼モノとしてやるべきことを完成させている。BGMを一切使用しないことによるドキュメンタリー風な空気や、派手な血しぶきよりもリアリティある淡々とした惨劇。それだけでも素晴らしいのに'70年代とは思えない完成されたカメラワークや、これでもかと不快感を撒き散らす背景構成。モデルもエド・ゲインという敷居の低さ。いくら褒めても褒めたりない。
なによりゴア表現が控えめなので、悪名高さに反してスラッシャー映画入門として他人に勧めやすいのがいい。『死霊のはらわた』や『悪魔のえじき』なんかとタイトルの語感が似ているので、そこらへんからもおどろおどろしさのイメージが伝染している疑惑。
最初のドアがガラガラっと開くところなんか、今の御時世ではかなりシンプルなシーンなのにインパクト特大で最高。
屠殺の(元)ベテラン。