クレミ

別離のクレミのレビュー・感想・評価

別離(2011年製作の映画)
4.7
面白い。
みんな何かを守るために、些細な嘘をついたり 決断をしたり。それは自分のためだったり、お金のためだったり、家族のためだったり。この決断や嘘を「正義」や「悪」に分類することなどできない。後にあんな事になるなど、その時は誰もが考えていなかっただろうから。些細な出来事の積み重ねが大きな歪みを生み出し、取り返しのつかないことになってしまう。
イスラム教のエッセンスが強いので、最後のキーになるのが信仰心なのが、個人的には斬新で面白かった。

飽きずに最後まで見せてくれるし、何より役者陣がかなり良い仕事をしている。目線だったり、表情だったり、セリフに乗せなくとも人物の心情を丁寧に映し出している。何人か登場人物がいるが、無駄なキャラクターが1人もいなくて誰に対しても感情移入できるほど。長回しが印象的な作品だったのだけど、そこで役者陣の演技力の素晴らしさがかなり活きてるなと感じた。エンドロールのなんとも言えない後味。
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