ロビン

デッドマンのロビンのレビュー・感想・評価

デッドマン(1995年製作の映画)
3.9
ジム・ジャームッシュ×ニール・ヤングの不思議で独特の世界観で、これは好きなテイストの作品。
久しぶりに異世界で時間を過ごした気分になった。
そしてこんなにも“間”が心地良い映画ってあるかなと。
それとニール・ヤングが奏でるレスポールギターの、歪んだ音色が作品の雰囲気を研ぎ澄ませ深い味を醸し出している。
とにかくニール・ヤングのギターが渋過ぎるし、モノクロ映像との相性の良さが抜群過ぎる。
この全編に流れるギターの音色にめちゃめちゃ加点!

ジョニデも序盤のジョン・ハートもカッコいいけれど、個人的にはこの映画の主役は間違いなく“nobody”。
彼の存在感と安心感が凄いし、彼の放つ詩的なセリフに人間や自然を考えさせられる。
そして彼の風体からして、ノーメイクの時のマツコ・デラックスのようでもある(スッピンのマツコの顔見たことないけど~笑)。
それと西部劇なのに詩を嗜むスピリチュアルな先住民であるnobodyと白人男性のジョニデの交流が軸になるのが面白い。
舞台も空っ風が吹く荒野ではなく、生命に満ちた森と川というのも斬新。

冒頭で列車の乗客の雰囲気がどんどん変わってガラが悪くなっていく様が面白い。
そして列車の中から一斉にバッファローを撃ちまくるのなかなか滑稽〜笑
撃ったバッファローその後どーするんだろう?

殺し屋のコールが頭踏み潰すところなんか最高!
そして殺したお喋りなアイツの肉食べてたってことは、まんざら両親殺して煮て食べた話も嘘じゃなくて本当だと思わせるシーンも好き。

劇中、ジョニデの髪を凄く綺麗だと薄汚れた男連中に触られまくられるけど、確かにジョニデの髪だけやけにツヤツヤで美し過ぎる。
あの時代にどんなトリートメント使っていたのか気になる〜笑

【ネタバレ】
  ↓










全編通してブツ切りでフェードアウトのカットが多いのは、なんとなくラストにカヌーに横たわって流されていくジョニデの走馬燈だったような気がしてしまう。
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