広島カップ

デッドマンの広島カップのネタバレレビュー・内容・結末

デッドマン(1995年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

会計士募集!に応じて都会から西部にやって来た男ウィリアム・ブレイク(ジョニー・デップ)は、ふとしたはずみでそこの社長の息子を撃ち殺してしまい、自分も胸に弾丸を受けたが急死に一生を得て逃亡することになる。社長は賞金を掛けて殺し屋に会計士を追わせるという西部劇。

始めの方はかなりコメディタッチを漂わせ、ジャームッシュらしいなかなかにヒネリを効かせたウエスタンにして来たなと感じさせる。
道中死にそうになった会計士は途中で出会った先住民の男に命を救われる。会計士自身もいつの間にやら銃の扱いが上達し追っ手をドンドン撃ち殺して行く。すると今度は何やら「人は死んだらどうなる」という死生観が漂って来る。
先住民の男が白人のイギリスの詩人ウィリアム・ブレイクの事を知っていて、自分が命を救ったその会計士のことを本物の詩人その人だと勘違いするという辺りにも更にヒネリを効かせている。

「君は生まれた所に帰るんだよ。そこは人間の魂の故郷だ。魂は皆そこへ帰るんだよ。そしてこの世は無意味となるんだ」という解ったような解らないような言葉を瀕死の会計士は先住民の男にかけられる。
これは先住民族に伝わる言葉なのか?詩人ウィリアム・ブレイクの詩の一節なのか?それともその他の物なのか?煙にまかれます。

深読みすると、もしかしたら会計士は実は最初の弾丸で死んでいたのかも知れません?死人(デッドマン)がこの世を彷徨い最後に成仏するという話なのかも知れません。先住民の男は名前をノーバディ(誰でも無い)という。彼ももしかしたらこの世の者の誰でも無い、この世に存在しない人物なのかも知れないなどと更に深読みもしてしまったりします。
そうなるとかなりのシーンで鳴っているニール・ヤングのエレキギターもなんだかお経か念仏のようにも聴こえてもしまいます。

それにしてもなんとなく胸の辺りがモヤモヤして胃の腑に落ちない、悪く言えば宙ぶらりんの逆流性食道炎のような作品。
そんなに時間を掛けななくても良かったかな?と今は思うけれど、レビュー書くのに何故か物凄く時間がかかった作品。
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