ザリくん

ONE PIECE FILM Z ワンピース フィルム ゼットのザリくんのレビュー・感想・評価

3.6
ワンピ映画旧作の中で圧倒的にストーリーが良い。
大海賊時代の負債側面に焦点を当てたテーマは、RED以前は当作が初なのでもっと評価されるべき。

海賊は本来手放しでマンガ的ヒーローのように肯定されるべきではないアウトローであり、海軍のように統治する権力集団は正義を掲げてはいるが治安のためにアウトローと癒着する側面もある。必要悪はどちらだ?と言いたくなるこの社会構造は正に尾田栄一郎が好きな任侠映画のヤクザと警察であり、その欺瞞を(暴力に依ってだが)明るみに出すZ先生は10年前の作品でありながら魅力的なヴィラン像として色褪せない。

ワンピの基本展開のように、仲間を守るぞ〜!ドン!ではなく、それぞれの立場の純粋な個人信念を戦わせるストーリーがこれまでのワンピフィルムと違っていてかなり好き。終盤のBGMオフでの殴り合いは象徴的で圧巻。本来なら安直にウィーアーを流しているところ。

ファンサも忘れない。
男陣によるムチムチマッチョボディのお風呂シーン。可愛らしい女児と化したナミさん(冒頭やけに胸揺らすの強調してて全年齢層向けなのに何故?と思っていたがアレはサンジに向けた大人ナミさんサービスシーンだったのかな)。JKになったロビン。チョッパーはずっと可愛い。

青キジが格好良すぎる。海兵が主として進むが、不必要なキャラは極力出さない采配。ワンピは登場人物のほとんどが成人しているからジャンプ作品の中では醸せる渋さが段違い。おっさんが素晴らしい。

恒例の衣装チェンジも安定の良さ。
モノクロのOPかなりオサレ。

気になった箇所
Z先生、漂流を助けられておいて例もなしにいきなり襲い掛かるからファーストコンタクトの人柄印象が最悪だった。あそこ何とかならなかったのか?
Z軍団の部下が特に要らないようにも感じた。オカマ忍者は海軍脱退してから何があってあのキャラになったんだ?
対雑兵の戦闘シーンが戦国BASARAみたいで笑った。(10年前だから映像の綺麗さ、豪華さで現代に劣るのは仕方がない) 必殺技もスマッシュブラスター、略してスマブラで笑った。
ウソップ「お前らが害虫だーーー!」ちくちく言葉、お前、船降りろ。(cvルフィ)
ザリくん

ザリくん