杜口

エスターの杜口のネタバレレビュー・内容・結末

エスター(2009年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

全てがほんとに上手い。

最初の出産シーンからしてどこかが変で気持ち悪い。
周りは何もおかしな素ぶりをしないのに不条理にどんどん進む感じが怖い。もうここだけですごい。

エスターもフリフリのついた子供らしいゴスロリファッションが微妙に似合ってない時点からして、どこかが変だ。
これだけでも、映画らしくていいなあと感慨にふけっていると、その違和感すら子供でないからってのと、傷跡を隠すためっていう2つの伏線になってて、ここまで画だけで種明かしみたいなことできるのは凄い!

序盤の絵を描くのが好きってのも、後々別の意味に様変わり。
しかも、兄がエスターの悪行を絵で確信するってだけでもう画でみせてて、ちゃんと映画してて満足。
なのに、さらに照明ってゆうもう映画らしいギミックで、隠された絵が現れ、不気味なものに変わっちゃう!
さらにさらに、これが父とエスターの出会いのきっかけでもあり、別れのきっかけにもなるってのも上手いなあ。

他にも1回目は鏡に怖いのが映るかと思わせて、映らない。かと思い油断してると次鏡が出た時には映るっていうホラーの約束事をスカすやり方も上手い。
それに公園ってゆう怖さの微塵もない場所が、演出で瞬く間にホラーになっちゃうのも凄い!

あと、エスター役の子が演技上手い。最後一気に顔が老けて大人っぽくなっちゃうのも怖くていいし、この子だけで画がもっちゃうぐらい。

ほんと"見る"のが楽しいホラー映画。
杜口

杜口