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社長三代記のどーもキューブのレビュー・感想・評価

社長三代記(1958年製作の映画)
3.6
 モリシゲの社長シリーズ



 2010年9月30日 17時13分レビュー。

 

1958年東宝作品、助監督岡本喜八、製作藤本真澄、脚本笠原良三。監督松林宗恵。

森繁久彌の社長シリーズ。かなりの本数が製作された大ヒットシリーズ。DVDで揃っている棚を見ると圧巻。毎回コメンタリーや思い入れ解説がついている嬉しい特典収録。

森繁さんは、テレビドラマでの頑固爺さん役や舞台での活躍を拝見。

最近では宮崎駿監督「もののけ姫」のシシガミで、強烈なドス声を聞かせて頂き大変印象的でした。

また、最近淡路千景さんと共演の関西ずるずるべったりラブストーリー「夫婦善哉」鑑賞。

素晴らしくだらしない若旦那を飄々と演じています。
女性に嫌われだろうなぁ、この役柄。
 
あと「俺たちひょうきん族」にてタケチャン、サンチャンの「タケチャンマン7」でパロディ「社長シリーズ」が入っていて気になっていました。タケチャン、気難しい社長。羽を頭につけると、メガホンを持ってハイテンションになる社長役。サンチャンはお調子者秘書。パーデンネンDVDボックスに収録されていて気になってました。





先日お亡くなりなられた小林桂樹さん(追悼)

小林さんのコメディ演技が見たかったというのもありました。

小林桂樹さんは、黒澤明「椿三十朗」の唯一の爆笑ポイントの役柄。

それから岡本喜八監督の主演作品「江分利満氏の優雅な生活」。

大変ユーモラスな作風に馴染んだサラリーマンえぶりまん氏を好演していました。

途中でアニメーションになったりする手法をすでに本作で披露。

今では、普通な手法をこんなに昔よりとりいれていたハイカラぶり。

洒落てて、小林さんの人柄がのほほん奏でるコメディでした。

そんな訳で、先入観皆無。社長シリーズの元祖をたどろうということで、本作鑑賞となりました。

やはり娯楽作品として面白かったです。

人気シリーズになる安定したコンビネーションサラリー物の基礎を作っていたんだなと思いました。

イバイバした森繁社長がいて、

ヘイコラ、「ハイィィー」の小林桂樹のくっさい顔をする秘書がいて、

三木のり平のお調子者部下がいて、

そこにガチガチ真面目な営業部長加東大介が社長代理になってさあ大変、という物語。

森繁威張りぃーの、小林桂樹の受けの演技ありーの、三木のでしゃばりがありーの、お堅い加東さん困るみたいな感じ。

森繁の芸達者な早口といやらしさに「芸」を感じました。

やはり素晴らしいコメディアンだなーと森繁さんの見る目が変わりました。

早口は、お笑いの鉄則(持論)

政治家前の扇千景さんも超綺麗です。

チョロットでていますので、あと団玲子さんもかなりお若い、必見。



さて

森繁社長代行の顛末はいかに。会社はどうなることやら、懐かしい風景も楽しめます。安心して鑑賞できた「社長三代記」でございました。



追伸
イヤー本作!あまりにも唐突なエンドマークに思わず大爆笑。

やはり、ちゃんと「続社長代行記」が製作されていたんでひと安心。

この尻切れ唐突エンドの手法ってこの時代からあったんですね!
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