これは大きいスクリーンで観たかった！
音楽、風景、街の空気、そしてまさに絵画から飛び出てきたかのような美しい役者陣…
原作小説があるとのこと、原作へのリスペクトや舞台となった時代への配慮も感じられ、細部まで美しく丁寧に作られた作品。
スカーレット・ヨハンソンが出ているのは以前から知っていたけれど、フェルメール役がコリン・ファースだというのは、コリン作品を追い始めてから知った。
そして二人とも、言われなければ気がつかないかも…というくらい、役にぴたりとはまっている。
コリンは『高慢と偏見』 のダーシー以来なのでは？ と思うほど、美しく色気を秘めた役。
スカーレット・ヨハンソン演じる使用人のグリートは、瑞々しく堅さもあり、純情。
二人が絵画制作を通じて関係を深めつつ、その関係がどうなるのかハラハラ…
アトリエで二人きりの場面はいわゆるラブシーンではないのにドキドキして引き込まれる。
フェルメールは妻と、グリートはボーイフレンドのピーター(演じるのはキリアン・マーフィー)とべたべたするのに、触れそうで触れないフェルメールとグリートにむしろ色気が立ち上る演出が素晴らしい。
フェルメールは台詞そのものも少なくて、抑制の美を感じる。
