映画二十郎

我等の町の映画二十郎のレビュー・感想・評価

我等の町(1940年製作の映画)
3.2
①2020.4.17☆3.2@家

発表会の「わが町」について時代背景を調べる為に映画化されたこれを。
日常の貴重さ。流れる時の早さ、生きている事の素晴らしさに死んでから気付く。
私達はもっとお互いを見つめ合い、瞬間を大事にしなくてはいけない!
という大事なテーマ。ただ映画としてあまり面白くはなかった、見せ方?なのかな普通過ぎた気がする、内容は素敵な事なのに。


と思っていたが、かなり大事な作品だった。元の「わが町」1938年にブロードウェイで幕を開けその後日本で文学座が公演。それを観ていた一橋大学の学生、大串隆作が兼松講堂で文化祭に上演したいと文学座も巻き込み実現させた。
ただ当時のWWⅡ前の日本の情勢からしてアメリカの作品という事もあり、かなり大変な事だったはず。そして文学座はこれを最後に終戦まで「わが町」を上演する事はなかった。この日の3週間後にアメリカとの戦争に突入…
そういう意味でこの作品は劇団にとってとても大事な意味を持つ。


“ワイルダー原作の「サン・ルイス・レイの橋」
この小説の基底に流れるのは、キリスト教精神でありその中の「生者の世界と死者の世界を結ぶものは愛であり、思い出こそが二つの世界の架け橋となる」というテーマが印象的”①
これは今作にも通じる大事な部分だと感じた。

① https://jfn.josuikai.net/nendokai/dec-clubsinronbunAruhino_KanematuKoudou.htm
大串隆作による「私と演劇」

https://spac.or.jp/culture/?p=358
「開戦3週間前のわが町」
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