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ふしぎの国のアリスのpikaのレビュー・感想・評価

ふしぎの国のアリス(1951年製作の映画)
4.5
ジブリと共に私の血と肉になっている映画。
物心つく前に、当時デパートで働いていた親戚が販促品の残りのVHSをもらってきてくれた。自分だけのビデオテープというものが生まれて初めてのものだったので、好きな時に見れるというのが嬉しくて何度も何十回も繰り返し見た。
そのせいか今あるDVD化した作品を見ると吹替えの声優が違っていて大ショック。あの声で記憶しているのに、人に貸したまま返ってこなかったVHSは手元にないので、もう見ることが出来ないのは心の底から無念である。返して・・・。

好きとかいう次元を超越したくらい見ていて何気ない瞬間にも口をついて歌が出るほど体に染み込んでいる。
全ての歌が頭に入っているし、瞼を閉じなくてもビジュアルが目に浮かぶ。

強いて好きなシーンを挙げるならば、
・パイプをプカプカふかしたイモムシ
・味とりどりの薬、クッキー、人参やキノコで体の大きさを調節するアリス
・貝たちの悲しき物語
・くるくると動くチシャ猫
・なんでもない日おめでとう
・白いバラに赤いペンキ
・ハートの女王とのクローケー

奇抜なキャラクター、独特な歌、脳裏に焼きつく映像、見ているこちらもアリスと共に不思議な世界へ迷い込み、夢うつつの世界を味わえる不安の入り混じった多幸感。
ストーリー云々ではなく現実ではとても味わえない不可思議な感覚を体感できる「映画」という日常から切り離され別世界を味わえる醍醐味を最大限得られる作品だ。
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