3104

ガメラ対大悪獣ギロンの3104のレビュー・感想・評価

ガメラ対大悪獣ギロン(1969年製作の映画)
3.0
ガメラシリーズ第5作。
前作『~対バイラス』は宇宙から怪獣がやって来たが、今回はこちらが宇宙へと赴く。太陽を挟んで地球の真反対にあるという“第十番惑星”が舞台。

依然続く大映の経営難はいかんともし難し。宇宙といえどもやけにスケール感に乏しい。惑星にはたった2人の宇宙人しかおらず、宇宙船に乗り込み星に来てしまった地球人のガキ2人と合わせても4人。この4人が繰り広げる食うや食われるや(宇宙人は地球移住のため、子供の脳を食べ知識を得ようと企む)のやり取りはどうにも締まりがない。

怪獣映画なのでもちろん怪獣は出てくる。大悪獣ギロン。
コウモリがモチーフのギャオス、イカ大王のようなバイラスに続き登場したこのギロン。包丁に手足が生えたような豪快なデザインが言語道断に魅力的だ。
強さを示すために宇宙ギャオス(ギャオスを銀色に塗りなおしただけ)をその包丁でバラバラに切り刻む様子が描かれる。シリーズ1ともいえる残虐なこのシーンが、今作の唯一にして最大の見どころといえよう。

映画後半はジェット噴射で遠くの星まで飛んできた「子供の味方」ガメラとギロンとの戦いとなる。作品を追うごとにシリアスの度合いが薄れ、愛嬌すら感じられるようになったガメラ。今作ではギロンの包丁と手裏剣(!)攻撃に苦しめられるも、ゴーゴーダンスや鉄棒の大車輪、同社製作の『座頭市』のパロディなどを披露する遊びっぷり。ギロンを倒したあとは真っ二つに割れた宇宙船を自らの吐く炎で“溶接”し、ガキをそれに乗せ地球に送り届けてハイおしまい、めでたしめでたし。

船越英二が博士役で冒頭と最後に少しだけ登場。他にイーデス・ハンソンや大村崑、そして『しとやかな獣』で色気に満ちた肢体を振り回していた浜田ゆう子が主人公のガキの母親役で出演している。
3104

3104