青山

誕生日はもう来ないの青山のレビュー・感想・評価

誕生日はもう来ない(1981年製作の映画)
4.0

名門校の優等生不良グループ"トップ10"のメンバーが次々に殺されていく80sスラッシャー。

レンタル屋とかにもほとんど置いてないのでしょーもないB級クソ映画なのかと思ったらめちゃくちゃ丁寧に作られた傑作で驚きました。


まずオープニングからしてキマってます。
ダリオ・アルジェントをポップにしたような、カッコイイ音楽と赤いオープニングクレジットと黒い革手袋の殺人鬼ともがく美女の脚の美しさよ......。
意外とDVDの映像が綺麗なのもあって冒頭だけで一発で引き込まれちまいました。

からの、成績トップ10のわりにアホしかいない高校生たちのLike a 小学生なイタズラにホッコリしたり度胸試しのゲームにハラハラしたり、そうこうするうちに殺人が起こり......と、まぁ殺しのシーンが案外アッサリしてるのはやや物足りなくも、でもやり口はエグいから楽しく観られます。

友達がどんどんいなくなってるのに普通に学校通ってんのとかはツッコミどころでありつつも、空間的にはオープンながら閉じたグループの中での事件というクローズド感が楽しく、しかしそういう連続殺人モノかと思っていると主人公のバージニアがどんどん頭角を現して(?)いって、彼女の封印されし過去の記憶をめぐるサイコサスペンスの味も出てくるのが贅沢で飽きさせませんね。
スラッシャーとサイコスリラーのいいとこどりみたいな。

そして、衝撃的な結末はしっかりミステリとしての意外性も......いやまぁ唐突な感は否めないけど、インパクトとしては非常にびっくりさせていただいたし、一応申し訳程度の伏線らしきものもあるので許せちゃいます。

んでやっぱ主人公のバージニアことメリッサ・スー・アンダーソンちゃんがめちゃくちゃ魅力的でしたよね。ぱっと見地味だけど可愛さと綺麗さと色っぽさを併せ持って使い分ける感じ、悩殺されるしかないやんけ。

そんで、最後のシーンもめちゃくちゃ良い。なんかもうエグすぎてシリアスなギャグみたいになってて、でも醜悪の美がそこにあって、突っ込みたくなるナイスタイミングと、ハッピーバースデイの余韻............。

冒頭良し、展開良し、終わりも最高という傑作ですよこれは。ホラーミステリとか好きな人にはぜひ観て欲しい!
青山

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