おーたむ

ハリー・ポッターと秘密の部屋のおーたむのレビュー・感想・評価

4.0
ハリー・ポッター2作目。
こちらも見たことはありました。

鮮烈なインパクトを残した前作「賢者の石」と比較すると、やや落ちるかなというのが、率直な感想です。
物語冒頭がマグルの世界から始まり、ほどなくしてハリーはホグワーツへ向かい、そこで学生生活をおくる中、校内で事件が発生、その事件はヴォルデモート復活の目論見の一端であり、それを主要人物三人が解決する…という流れは、それこそ「賢者の石」にそっくり。
ダンジョンの終着点で、ハリーとヴォルデモートが対面する構図になるというところまで似通っている本作は、前作のバリエーションのように感じます。
むしろ、「新たな世界に足を踏み入れる主人公」という要素がなくなったぶんだけワクワク感が減退しているようにも見え、そういう意味では(シリーズの中の一作品としての役割は果たしているけれど)単体の作品としての魅力では、1作目には及ばないなと思えました。

とはいえ、作品最大の魅力である魔法世界の描写については、期待を満足させるだけのものは見られたとも思います。
特に、トム・リドルの日記というガジェットと、それにまつわるストーリーが醸し出すホラーミステリー的な雰囲気は、魔法世界という舞台と相性が案外よく、ワクワク以外のファンタジーの側面を見せてくれていて、良かったですね。
上述のとおり、私の好みは本作より前作ですが、本作も十分面白かったです。

しかし、本作でのマルフォイの残念さは、なんだかかわいそうになりますね。
ハリーと対峙する場面は大抵かませ犬的な役回りだし、父親の企みについても何にも知らずに蚊帳の外だし、字が読めるかどうかぐらいの馬鹿を取り巻きとしてはべらせているところなんかも悲しみを誘うし、けっこう散々です。
そりゃ、ハリーの宿敵はマルフォイじゃなくてヴォルデモートなんだから、仕方ないと言えば仕方ないんですけど、それにしてもね…。
いろいろと不憫なマルフォイが、ちょっぴりいとおしくなってくるようなシリーズ2作目でした。
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