eulogist2001

1978年、冬。のeulogist2001のレビュー・感想・評価

1978年、冬。(2007年製作の映画)
4.1
これは紛れもない傑作。淡々としたシンプルな描写だが、骨太。エピソードの挿入やプロットもお見事。構図やカット割もシビれた。一瞬の淀みもなく、ラストシーンまで引き込まれた。

内面描写も台詞の少ない中で滲みる。古びた汽車での通勤・通学、粗末な家や弁当での食事。線路やだだっ広い田園の中を歩くシーンのリフレイン。微妙な変化が心情を暗示的に写す。そうした余白の描き方に何度か唸った。センスの良さが光ってる。優れた文芸作品を読んだ時や引き込まれるようなすばらしい演奏に接した時の余韻を存分に味わった。
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