1978年、冬。の作品情報・感想・評価・動画配信

「1978年、冬。」に投稿された感想・評価

1978年。
文革も終わり資本主義経済に舵を取りかけている中国の片田舎を舞台とした文芸映画。冬が舞台だからか煤けて鈍色の空や街並みが印象的で、なんともいえないノスタルジックさに満ちている。

翌、1979年冬には天安門事件が起きる。
そんな時代の片隅を切り取った、刹那的で情感に満ちた、かつての朴訥さを懐かしむようなそんな映画。
それでも人生は続くって感じだった。

文化大革命直後の中国の田舎町が舞台で、ひたすらに淡々とした展開で、ひたすらに荒涼とした映像が続く。

仕事をサボってばかりの青年スーピンと幼い弟のファントゥ、北京から隣に引っ越してきたシュエン。ほとんどこの3人だけ。

とてもミニマルな作品だけど、思春期〜青春期特有の閉塞感を田舎町と凍てつく冬の映像でとても美しく表現していた。

淡い恋が実っていくのかと思いきや、容赦の無い世間の目と時代に飲み込まれてしまう若い2人が切ない。

『いつかこの街を出て行く』と言っていたスーピンの思いと、残された家族とシュエン。
ファントゥにピントを合わせたカットの後ろで肩を震わせる母親。窓の外でピントのぼけたカットで映し出させるシュエン。
このあとにも彼を襲うであろう不条理を、なんとか跳ね除けて欲しいとファントゥの将来を案じずにはいられない。


上手く感想がまとまらないけれども、とても印象に残る作品だった。
hazuki

hazukiの感想・評価

4.4
文革の直後で、時代に翻弄されたんだろうな、、気づいたらファントウ目線で観ていた。やりきれなくて、どうしようもなくて、重い気持ちになった。ほこり、練炭、汗が混ざったような匂いが漂ってきそうだった。
前半は淡々とし過ぎていて正直眠くなってしまった。記録映画みたいな感じで。
後半は物語が動いて、特に弟の出てくるシーンが良かった。辛いなかで生きていくあの感じ。

ただ、あの女の子の存在の描きかたが中途半端な気がしてあまりのめり込めなかった。

作品中に出てくる饅頭と工場の煙が映像として頭の中に残る感じ。
さつき

さつきの感想・評価

2.0
男が好きが故に女に加害して女も惚れるってパターンうんざり。
女の描き方ファンタジーすぎ。

このレビューはネタバレを含みます

長回しで遠景を映すシーンが印象的で、工場、灰色の壁といった乾いた光景が、いくら時が流れようと変わらないと思えるような街全体の閉塞感と、スーピンにとって西幹道とシュエンへの思いが入り交じった倒錯した叙情性を際立たせている。

後半、徴兵されていつの間にか死んでしまったスーピン。彼がいなくても時は流れて、彼がいなくても何も変わらない。何のために生まれて何のために死んだのか、まるで分からない。そんな命の軽さを覆うように工場の煙が街を包む。何も見えない間だけ、世界を見渡せるような。

1秒も目が離せない。白くて冷たい映像が、この世界を憂う世界中の人々の心象風景みたいで。
サミー

サミーの感想・評価

2.7
「作り」
不条理劇。
幸せがやってきたと思ったらその後は叩き落とされる。思わせた・匂わせだけ。
時代のせいか貧乏のせいか地域性のせいか。



「感想」
個人的に映画の雰囲気は好き。
でも内容が哀しい。
Qota

Qotaの感想・評価

3.4
"いつか汽車に乗って絶対にこの町を出る"


幸せなシーンは通算でも1分に満たないくらいの美しく苦しい作品。
踊り子が北京でどんな日々を送り、
なぜ田舎町まで出てきたのか考えると重い。

汽車が線路の繋がるどこかへ連れて行ってくれる、という期待を押し込めるような厚い雲と西幹道の冬。

ミニマムな台詞数も淡々と景色を映すカメラも、スピーカーから流れる声も物寂しさ溢れる文化大革命直後。

 
erinco

erincoの感想・評価

4.0
工業化になりつつある中国。田舎のとある一家のお話。煙突の煙がとても良い。雲行きも怪しくなる。
埃っぽくて息の詰まりそうなくらい貧乏な暮らし。何かに没頭して気を紛らすしかない人たち。自国の政治なんて貧困層には関係無い。その日暮らすのに精一杯だけど、恋や愛によって動かされる力は強力で美しかった。いい映画、中国、饅頭食べたい。
>|

あなたにおすすめの記事