エンポリオ

アイデンティティーのエンポリオのネタバレレビュー・内容・結末

アイデンティティー(2003年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

端から犯人など存在しなかった。
多重人格の症状を利用したサスペンス映画。サスペンスに王道の犯人捜しを人格捜しへと転じた大胆な設定には見事に欺かれた。その設定であるからこそ最後の大どんでん返しが効き、細部をある程度雑に作っても成り立っているのだろうと感じた。
しかし作品の大部分を犯人捜しの物語として観てしまうがために終盤へのフリとしては弱く鑑賞中はどうにも気にかかってしまうような伏線の部分が非常に多いように感じた。設定の種明かしに至るまでの流れが本筋を邪魔しない程度により作り込まれていた方が観ている側の感情の揺さぶられ具合も増したのではないかと思う。
多重人格の特徴を使った設定自体は初めて味わうもので新鮮に感じたがその設定を明かした後の他人格同士が交わる世界と現実世界との繋がりがより強い結びつきによるものであってほしかった。
どんでん返しで大人を果敢に殺めていく子供の姿に思わず笑ってしまった。
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