Gatt

質屋のGattのレビュー・感想・評価

質屋(1964年製作の映画)
4.0
ホロコーストによって、家族を失った男ソル。信じられる物は「カネ」だけと淡々と質屋を営む。あらゆる事がフラッシュバックの引き金になる。心の傷を負ったままに。

シドニー・ルメットの傑作のひとつという事で、鑑賞しました。
サブリミナルのように、ホロコーストの思い出が織り込まれていく編集。フラッシュバックで心に迫ってくるようなリアリティがありました。

訪れるあらゆる客たちも、それぞれの想いを抱えているが、心を閉ざしたまま接するソル。演じるのはロッド・スタイガー!「夜の大捜査線」の南部ポリスだったけど、同じ頃の映画なのにとんでもない老けメイクで、同じ人に見えなかったくらい。
ラストの表情は強烈だった。迫真の演技で、とても好きになりました。もう亡くなっちゃったけど。

クインシー・ジョーンズのジャズが冴え、陰鬱になりがちな内容がモダンに感じる。
純文学的な感じの終わりが、また個人的に堪らないw
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