ろく

SR サイタマノラッパー2 〜女子ラッパー☆傷だらけのライム〜のろくのレビュー・感想・評価

4.2
2回続けて泣いちゃうといいたいとこだけど少しだけ冷静。

でも相変わらずの解放感がすごいのよ。とくにラップのシーンになるとカット入れず長回し。最初の河原のシーン、そしてプールで水着のシーン。サラには最後の法事のシーン。これがほんと見事なんだ。このシーンを見るだけでもこの映画は意味あるんです。

そもそもラップって抑圧された階級の中から生まれた開放なんだよね(僕の解釈だけど)。だとしたらフォロワーの方が言うとおり舞台なんかどうでもいいんだよ。河原でもそれこそ法事でも。僕はあの法事のシーンにふるえちゃう。

ただ一作目よりは冷静に観ているのは「二度目」の体験だから。そう、女性版ではあるけれど物語の構造は同じなの。だからか少しだけ冷静だった。許せ。もしこっちを初めて見たらばやっぱり興奮していると思うのねん。

今回は駒根木はおまけ。でもいい感じだよねえ。それよりも5人の女性ラッパー、特に山田真歩のどん詰まり感が好きだ。もう詰まって詰まって人生ジエンドな感じなんだよ。前作でもそうだったけど女性にはこっちのが共感しやすいかしらん。

あとはソープ嬢の桜井ふみも良かった。やっぱりどん詰まり。でもね、「生きている」のよ。それだけは確かなんだから。その二人に比べると安藤サクラは少し静かな気が。たしかにあの二人が派手だからそれでいいのかも。

好きなものを捨てるってすごい抵抗あるんだよ。ある意味自分の今までを「殺す」感じなの。自分もいろいろあって好きなもの(僕の場合それはレコードだった。家族からの軋轢から捨てずにいられなかった)捨てたときはとっても寂しかったもの。わかる~

追記:最後に「しゅしゅしゅ」とラップで奏でるんだけどそこから「シュシュシュの娘」は出来たのかな。あの映画も「抑圧されたもの」の開放だし。だとしたら妙に嬉しい。「シュシュシュの娘」はサイタマのラッパー(SR)の4作目なのかも(ラップはないけど)。
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