mさん

グリーンマイルのmさんのネタバレレビュー・内容・結末

グリーンマイル(1999年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

ある1人の人間との別れを凄く丁寧に描いてる。あと奇跡の力を持っていて様々な奇跡を起こす中で同時並行で残酷な死刑執行も描いてる。映画の中で生と死を常に感じながら、最後は1人の人間の死を見届けて映画が終わる。

まず良かったのはコーフィの力が施設中に広がって、その力を研究したり、利用したりする様な輩が出てくると言った展開にならないでよかった。コーフィは純粋だからそうなってもおかしくないなと思ってたけど、本当にこの監獄の中だけで収まるから良かった。

あとコーフィという人間が素晴らしくて、考え方や、純粋な行動をするコーフィに監視員たちもだんだん心を開いていく過程が丁寧で、そりゃコーフィのこと信じるよなって納得できた。
だからこそ最後の死刑執行のシーンは凄く心が痛んだ。あのシーンを冒頭で見せられても、ただの死刑執行にしかならないけど、3時間コーフィに俺ら観客も含め寄り添って来たからこそ、ラストの死刑執行がものすごく辛いと感じる。映画を見る前と後で確実に何かが変わってる。そういうのは凄く映画だと思った。

あの死刑執行場の椅子に座る人たちは彼を憎んでる。だけど観客を含めた監視員は誰もコーフィを憎んでないし、むしろ可哀想だと思ってしまう。1人の人間のことをどれだけ知っているか知らないかでここまで反応や捉え方が変わってくるのは面白いなと思った。

ただ少し描写が丁寧すぎる気がする。所長の奥さんを助ける計画を1から10まで全てしっかり見せるし、もう少し省略できるところがあるんじゃないかなと思った。冒頭15分くらいでコーフィが出てくるのは良かった。何かを同時並行で描くわけでもなく、ずっと1つの物語がゆっくりと展開しているのでそれは3時間になるなと思ってしまった。ショーシャンクの空には同じ刑務所でも○時にこんなことをするみたいな説明があったし、色んなことが同時並行で描かれてたからあっちの方が楽しく飽きずに見れた気がしてしまった。撮影技法もわりとベーシックな切り返しを使っていて、会話シーンが全部そんな感じなので特に印象的なカットがあるわけでも無かった。あと全体的に顔のよりが凄く多い。全員の顔を全部寄って映すので、誰を強調したいのかが分からず困った。

キャラも少し薄い人が3人くらいいた。ちょうどバーベキューに参加していたトムハンクス夫妻以外の人達とか。
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