dm10forever

異人たちとの夏のdm10foreverのレビュー・感想・評価

異人たちとの夏(1988年製作の映画)
4.0
【親孝行かぁ・・・】

この映画はホラーととるべきか、ファンタジーととるべきか。
いずれにしても主人公のひと夏の不思議な体験は、観る人の心にいろんな思いを残してくれるのではないでしょうか。

私が始めてこの映画を観たのはまだ中学生だった頃、たまたまTVか何かでやっていたのを観ていて、当時はラストの名取裕子さんのシーンが怖くて「ホラー」として脳裏に焼きついていました。
ただ、劇中の「異人たち」とのふれあいの「切なさ」や「もどかしさ」が何故か頭から離れなくて、大人になってから改めて観てみると、当時とはまったく違った映画に感じました。

実はその間に、私は母を亡くしており「もう一度逢えたらどんな話をしようかな・・・」とかいろいろセンチなことを考える時期だったこともあって、この映画はどストライクに心に突き刺さり、途中から号泣してしまいました。

生きている人間ではない、そうわかっていても、それを認めてしまうとこのまま二度と会えなくなってしまうのではないか・・・死んだ人と会うことで自分の生気が奪われたとしても、やっぱり逢いたい。
それが自分の大切な親なら尚更。。。

この映画、不謹慎な言い方かもしれませんが、大切な方を亡くされた方には是非観ていただきたいのですが、出来ればその前に一度観て頂いて、何年か経ってそういう経験をされた後でもう一度観て頂きたいのです。

そして、大切な人のことを想っていただきたいと思うのです。
dm10forever

dm10forever